ISO9001
ISO9001とは
国際標準化機構(International Organization for Standardization)は1947年に設立され、現在130カ国以上の参加があります。世界共通の規格・基準を10,000以上設定してきましたが、ISO9001は品質マネジメントシステムに関する国際規格であり、1987年に発効され、1994年、及び2000年に規格改訂が行われました。現在、 2008年版の規格がリリースされ、2009年から新規格への切り替えが行われています。 ISO9001:2008は追補改正版であり、要求事項の追加・変更はありません。不明確の内容を明確にすること(曖昧さの排除)と、ISO14001との整合が中心で基本的な骨子は変えないで検討されたものです。既に導入している組織にとっては自らの品質マネジメントシステムを再確認、改善に着手するよい機会になると考えられます。
ISO9001には以下の特徴があります。
経営管理のシステム規格である
目先の品質クレーム対応と異なり、仕事のしかた・ルールを定め、品質マネジメントシステムが有効に機能するための諸条件を定めた規格です。
あらゆる組織で導入が可能である
あらゆる地域、規模、業種において独立した管理機能があれば導入が可能な規格です。日本国内でも製造業をはじめ、行政、工業試験所、病院等様々な業種で広がっています。
継続的改善ができる
システム規格であるため、継続的改善の対象は品質マネジメントシステム自体となっています。マネジメントサイクルにより品質を改善する目的に沿い、システムを改善することができます。
国内では既に41,000位の事業者がISO9001を取得しています。近年では、大手企業・中堅企業に行き渡り、小規模企業まで認証取得するようになっています。しかし、2007年からJABへの登録件数は減少傾向が続いております。単に認証取得する時代から経営革新のツールとして活用する企業が増えることが期待されています。ISO9001の認証取得は大手の企業との取引の中で優遇される条件になる場合もあります。
ISO9001:2008 追補改正版の目的
ISO9001:2008 追補改正版の目的は、ISO9001:2000に対して、発行後数年を経ている中で見いだされた諸課題を解決するためを含め、①要求事項の明確化、②公式解釈を必要とするような曖昧さの除去、及び、③ISO14001との整合性の向上、を行うことで規格の本来の意図が正しく理解され、活用されることを目的としています。既にいろいろな文書や情報のある中で説明/解説されていますが、ここでも整理しておくと以下のようになります。
目的 ;
・要求事項の表現の明快さ、翻訳のしやすさ、規格の使いやすさの改善
・解釈要請に現れたような要求事項の曖昧さへの対応
・ISO9000ファミリー規格との整合性の向上
・ISO14001:2004との両立性の向上そのためのインプット;
・TC176の解釈プロセスで承認された解釈
・ISO9001:2000に対してなされた定期見直し(Systematic Review)結果
・TC176/SC2が実施したWebベースでのユーザー調査結果
・顧客要求事項及び適用される規制要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力をもつことを実証
改訂の狙いは、ISO9001認証組織の顧客が、要求事項に適合した製品を組繊が提供することを期待しているのに対して、現実には必ずしもその期待に応えていないことによることが背景にあると言われています。
ただし、今回の追補改正作業は、ISO9001の要求事項を追加するものでも、要求事項の意図を変更するものではありません。原則として、組織の品質マネジメントシステムの構築・運用・維持管理への影響を最小限にとどめたものとなっています。
これらのISO9001:2008追補改正版の改正の意図に加えて、日本においては現行のJISQ9OO1:2000の日本語訳において、解釈や、 TC176国内委員会が判断して追加した事項(JIS規格の中に、破線のアンダーラインで記された部分)見直しも行われました。
品質マネジメントシステム導入のメリット
品質マネジメントシステム導入のメリットは以下のように整理することができます。
- 第三者認証による顧客信用度の向上
- 顧客ニーズの適確な把握
- 顧客満足度の向上
- 品質レベルの向上
- 顧客、市場クレームの削減
- 経営者の方針の浸透(全社員の同一価値観)
- 業務の標準化
- 社員のモチベーション向上(意識改革)
- 企業体質の改善
- 他社との差別化
企業に求められる8大原則
- 顧客志向 (Castomer focus)
- リーダーシップ (Leadership)
- 人々の参画 (Involvement of people)
- プロセスアプローチ (Process approach)
- マネジメントへのシステムアプローチ(System approach to management)
- 継続的改善 (Continual improvement)
- 意思決定における事実に基づくアプローチ(Factual approach to decisionmaking)
- 供給者との互恵関係(Mutually beneficial supplier relationships)
ISO9001の認証取得活動は、企業に求められる8大要素を系統的で目に見える形に作り上げることであり、企業が成功するカギとなります。
認証取得までにPDCAサイクルを1回転させる
ここでは、品質マネジメントシステムの中心的な考え方であるPDCAサイクル(Plan:計画 Do:実施 Check:確認 Action:見直し)を説明します。このサイクルによって、継続的に品質マネジメントシステムの改善が図れます。
- 品質方針
- 具体的にどんな品質改善に取組むかを経営者が決め、公表する
- Plan:計画
- 経営者の責任(責任・権限)
- 品質方針⇒品質目標⇒具体的改善計画の実施
- Do:実施
- 製品・サービスの実現
- 契約業務、・設計開発業務、・購買業務
- 生産・計測器の管理業務
- 資源の運用管理(力量と教育訓練、インフラストラクチャー、作業環境)
- 文書管理・記録の管理
- Check:確認
- 検査・監視、不適合の管理
- 顧客満足、不満足
- 内部監査、是正処置、予防処置
- Action:見直し
- 経営者が、システム全体を見直す(マネジメントレビュー)
ISO9001ケーススタディ - ソフトウェアのISO9001
ソフトウェアのISO9001について詳しくはこちらへ⇒ISO9001|ISO27001|ソフトウェア|コンサルタント|タテックス有限会社
認証取得についてのQ&A
Q1 当社は従業員数30名のソフトウェア開発会社ですが、創立してから5年しか経っておらず、社員は全員が中途入社です。そのため品質管理も個人のノウハウ任せで、標準というものがありません。安定した品質を確保するためにもISO9001を取得しようと考えていますが、書籍などを見ると、ほとんどの企業がコンサルタントを頼んでいるように書いてあります。コンサルタントに頼らず、自社だけで認証取得にチャレンジしたいと考えていますが、可能なのでしょうか? †
A1 中小企業の中にはコンサルタントを依頼しないで、自力だけで ISO9001の認証取得している企業はあります。それらの企業にとっては、認証取得時の達成感は高いでしょうし、全社員共有の誇りにもなっていると思います。 ただし、中小企業の多くは、①取り組み方が分からない、②人的資源に乏しい、③時間的制約がある、などの理由により、コンサルタントの支援を受けて認証取得に取り組んでいます。また、自社の力だけで取得活動を行なっても、システムの構築ができず断念したり、途中からコンサルタントの指導を受ける企業もあります。 独力で認証取得に取り組む際に考慮しなければならないのは、他社の真似をするなど安易な方法に陥らず、トップ自らが ISOの本質を理解し、全社的活動として取り組むことです。
ISOは、①トップダウンで行なうこと、②全員で取り組むことが基本です。特に、中小企業にとってはマネジメントシステムの基盤作りともなりますので、担当者任せにせず、トップ自らが積極的に推進活動を展開させることが重要です。 また、自社だけで取り組むとどうしても品質マニュアルの手本が欲しくなると思いますが、市販されている書籍等からの引用などは決して行なわないようにしましょう。 ISO9001の品質システムは100社あれば100通りのシステムがあると、肝に銘じて取り組んで下さい。他社の真似をすると、取得はできても借り物のシステムのため、維持管理していくことが困難になります。システム構築にあたっては、自社の現在ある仕組みを活かし、ISOの要求事項と照らし合わせて取り組むことです。「あるべき姿」を追求せず、「今ある現状の姿」をベースにしてシステム化するように心がけて下さい。いずれにせよ、自力で取り組む際には、トップが①取得の目的を明確にし、②社員に宣言を行なった上、③自ら先頭に立って知恵と汗をかき、④社員を教育し、 ⑤一体となって活動をしていくことが必要です。
Q2 当社は電気製品の部品加工と組立を行っております。従業員は90名です。ISO9001を本年度中に取得しようとISO事務局を作って発足しましたが、理解しにくいので、コンサルタントをお願いしようと考えております。どのようなコンサルタントにどのような内容を依頼したら良いか分かりませんので教えて下さい。 †
A2 どんなコンサルタントにお願いしたら良いかという点ですが、コンサルタントが会社の希望に合うことが大切です。一般的にコンサルタントのQCDについて考えてみたいと思います。コンサルタント Q(サービス品質)の判断ですが、次の3つの評価基準で判断されてはいかがでしょう。
① これまでのコンサルタントを行なった件数
② コンサルタント自身が受審の経験があるか
③ コンサルタントだけでなく、審査の経験があるか
以上ですが、数が多ければそれだけ依頼されていると考えられます。具体的社名は、聞いても言わないはずです。なぜなら顧客の秘守義務があるからです。大きなコンサルタント会社は営業マンが来ますが、サービスを提供するコンサルタントに必ず面談して決めた方が良いと思います。なぜなら営業マンがどんなに良い人でもサービスを提供するコンサルタントでないからです。 やはりコンサルタント自身で審査を受けた経験がある方が良いし、舞台裏を知っているからです。そしてさらには審査員としての経験している方がより適切なコンサルティングができると思います。以上の3つを総合的判断基準としたらどうでしょうか。
次に費用です。費用にはかなりの幅があるようです。1時間当たりだけでなく、トータル費用も考えてみるべきです。大手コンサルタント会社は諸経費などで高額です。コンサルタントは当社のような大手コンサルタント会社から独立してやっている人のほうがスキルが高いことが多いです。大手コンサルタント会社のコンサルタントはサラリーマンで自分の看板で稼ぐ力のない人なのです。 コンサル活動期間は半年から1年程度で、大体10日位から25日位が予想されます。このトータルとどの位まで関与してくれるかによって変わります。 日程ですが、やはり希望する日程に来てもらえるか、また同一の人が来てくれるか確かめることも必要です。 依頼する方もなるべく早く日程を示す方が希望に合う日にコンサルティングができます。 コンサルタントも2~3カ月先まで決めていることが多いのです。長期間1社には行きませんので、かなり細かく予定を立て空きのないようにしていると思います。 以上のようなことを選定の基準に早く決めることが良いと思います。内容について、ISO要求事項、品質マニュアル作成、社内規定の作成、模擬審査(手順の確認と実施状況の確認)の一通りのコンサルティングを受けることが一番良いと思いますが、品質システム構築ができていれば模擬審査だけとかスポットでの支援でも良いと思います。
ISO9001 beyond
企業にとって常に改善していかなければならない3大要素に、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)があります。そしてこの Q、C、Dは、個別に独立したものではなく、相互に関連しています。ISO9001はこの中で、Q(品質)に限定して要求事項を述べています。しかし、経営コンサルティングの場面は、むしろコスト低減が最も多いといえます(つまり、企業が最も強く改善を感じている領域はコストかもしれません)。
この事実に対して、「品質以外は要求事項ではないので、別のシステムにすべきだ」と思っておられる企業が多いのも事実です。 ISO9001は2000年版から、「品質マネジメントシステム」というより「顧客満足のためのシステム」と原則にも書いてあります。この視点から考えるとISO9001の要求事項ではないけれども、重要な関連領域・システムは数多く存在します。
当然ですが企業はQ(品質)、C(コスト)、D(納期)のバランスの取れたマネジメントシステムを持つべきです。
その実現のためには、一つのシステムであっても、複数のシステムであってもよいでしょう。そうすると、選択肢のひとつとして「ISO9001の要求事項のよさをベースにして適用できる領域には横だし、上乗せしてシステムを構築することが浮上します。
ISO9001の要求事項の良さとして、P・D・C・Aサイクル、プロセスアフローチ、目標管理、是正&予防処置など継続的改善を構成するツールが挙げられます。これに付加する対象としては、「.販売、利益、コスト管理」「納期管理(製造業における生産管理)」「新商品/新サービス開発管理」「提案型の営業システム」「社内改革システム」などが考えられます。
このようにISO9001に横だし、上乗せしてシステムを構築しても、規格要求以上のことを規定していることに対して、審査員は過剰だから、不適合ということはありません。審査員は規格要求事項に適合しているか(網羅しているか)を見て指摘をしますが、過剰なシステムに対して指摘するのはコンサルティングと判断されるので指摘できないはずです。
上記の5つのシステム拡大の例は、規格要求上からは玉虫色ですが、規格要求に含まれていると判断しても不自然ではありません。一方、御社がこれらの拡大システムにするメリットを感じられるなら、経営改善のために「横だし、上乗せ」して、実施をマネジメントし、審査員にも審査してもらってもよいのではないでしょうか。私を含めた多くの審査員は、経営改善を考慮した「横だし、上乗せ」は歓迎致します。しかし、この希望は、ISO9001だけの専門家では審査することが不可能になります。経営コンサルタント(中小企業診断士などの公的な資格と実務経験を持つプロのレベルの人)であり、かつ、ISOの審査員としてもプロとしての力量をもつ人に評価してもらうのがよいでしょう。
ISO9001システム改善
ISO9001のシステムを継続的に改善するための記事はこちらへ ⇒ ISO9001システム改善
ニーズで選べる支援内容
実績豊富なISOコンサルタント陣がISO取得に必要な工数をお客様のニーズで選べます。お問い合わせください。また、既にシステム運用をしていて、改善したいのだが。。。といった改善のご相談もお気軽にお問い合わせください。
現在、ISO9001:2008年版対応の品質マニュアルへの書き換えサービスを実施しております。サービス内容はお客様との相談により対応しております。お気軽にお問い合わせください。
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- 最終更新:2009-11-15 23:56:54
